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変える事と変えないコト

- 国産材で作る桐製品 -

桐匠根津

群馬県みなかみ町

桐匠根津 根津安臣さん

 

略歴

1917年に創業された国産桐商品のメーカー、桐匠根津の4代目として経営を担い、国産桐の価値を確信して事業を展開している。

 

ものづくりで大切にしていること

徹底的に桐のことを調べ尽くすことで、国産桐の価値を合理的に理解し、素材の特性を活かした製品づくりを行う。時代に合わせて製品ラインを変えながらも、常に国産桐による価値提供を追求している。

 

仕事観・人生観

穏やかな性格ながら負けず嫌いで、顧客に認めてもらえるよう努力を惜しまない。家業を継ぐ決意を早く固め、桐への理解と技術を深めることで、自分の言葉で価値を伝えられるようにしている。

 

ストーリー紹介

大学卒業後、不動産会社で勤務した後、家業である桐匠根津へ入社。初めは若さゆえに顧客に認められなかったが、徹底的に桐のことを学び、国産桐の価値を合理的に説明できるようになる。国産桐の価値を誤解されないよう、時代に合わせて製品の内容を変えながらも、常に国産桐でお客様に価値を提供することを追求している。

変える事と変えないコト

群馬県の最北端に位置するみなかみ町で、1917年に創業された桐匠根津は、国産の桐商品のメーカー。

4代目社長の桐匠根津の根津安臣さんは、桐を調べ尽くしたからこそ”国産の桐の価値”を確信している。

そんな根津さんの価値観やこだわりと共に、100年以上の歴史を持つ桐匠根津が大切にしてきたことを伝えたい。

 

 

穏やかさに包まれた負けず嫌いな性格

 

根津さんは、穏やかなコミュニケーションのスタイルとは裏腹に昔から負けず嫌いだという。

「中学校の部活で卓球を始めました。当時、顧問から言われた『こんな球も返せないのか』という一言に火がつき、めちゃくちゃ努力して群馬県で1位になりました」

高校卒業後は大学へ進学した。

「30歳くらいで家業を継げば良いかなと思ってました。なので、大学卒業後は、まず不動産会社へ就職しました」

しかし、思わぬ転機が訪れる。

「実家へ帰省した時、リフォームした桐タンスの納品を手伝ったんです。その時、納品したおばあさんが『こんなに綺麗にしてくれてありがとう。おじいちゃん、よかったね』と泣き崩れながら喜んでくれたんです」

 

 

納品した桐タンスは、亡くなったおじいさんからプレゼントされたモノだった。

「こちらがお金をもらう立場なのに、お客さまから『ありがとう』と言ってもらえることが嬉しくて。こんな仕事が、自分の一番近くにあることに気づきました」

そう感じた根津さんは、家業を継ぐのであれば早く技術を身につけたいと思い、半年勤めた不動産会社を退職し、桐匠根津へ入社した。

 

徹底的に向き合うことで見えたこと

 

最初は桐という高級素材の営業にかなり苦労した。

「百貨店のバイヤーさんやお客さまから『そんなに若い人から、桐の商品を薦められてもねぇ・・・』と相手にしてもらえませんでした」

この時、負けず嫌いの根津さんに火がつく。

「徹底的に桐のことに詳しくなろうと思いました。入社してから二、三年は仕事が終わってから、桐の工芸品、着物、他の木材、育成方法などの論文を読み漁りましたね。WEB含め二十冊以上読んで、自分の言葉で話せるように練習しました」

 

 

そして桐のことを調べるほど”国産の桐の良さ”を合理的に理解できた。

「日本は高温多湿で四季がある。この環境でも品質劣化しない桐は、理論上も国産しかないんです。外国産を使うと数年もしないうちに、タンスの引き出しの間に、ものすごい隙間が空いたりします」

一方、国内に流通している桐製品はほぼ全て、価格の安い外国産の桐が使われている。

 

 

「外国産は、輸入される時の薬品の影響で防虫や抗菌の効果が、ほぼ無いんです。でも、それが桐だと思われると、国産の桐の価値まで誤解されてしまう」

 

時代を見据え、手段は変え続ける

 

元々、群馬県に何十社もあった国産の桐のメーカーは、桐匠根津のみとなった。

「桐匠根津は元々、桐の丸太を売るところから始まったんです。だから国産の桐を適切に使うことにはこだわってきました。ただ何を作るかは、時代の変化と共に変えてきました」

 

 

丸太を売り始めた後、桐の下駄やタンス、建築資材の製造も行った。そして今はリフォームを請け負っているのに加え、小物も製造している。

「他社さんは桐のタンスから始めた会社が多く、最後まで桐のタンスを作ることにこだわってました。またお客さまは待つものだという価値観が強く、自分たちから積極的に営業をしたりはしてませんでしたね」

桐匠根津は、変わりゆく時代の中でも、国産の桐でお客さまへ価値提供できるモノを作るというコトをブラさなかった。だからこそ、100年以上も生き残ってこれたのだと感じた。

 

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