2018年、鎌倉で創業されたThird Bayは、日本茶エンターテインメントをコンセプトに日本茶のセレクトショップ「CHABAKKA TEA PARKS」を運営している。
創業者の三浦健さんは、異業種から日本茶の業界へ飛び込んできた。
物事を本質的に捉え、決めたことを徹底的にやり続ける。その姿勢が、起業初年度から想定以上のスピードでファンを増やし続けてきた。

本質的に自分と向き合う
三浦さんは2006年、新卒で大手アパレルメーカーへ就職した。
「中学の時から洋服が好きで、いずれ自分のブランドを持ちたいと思っていました。なので、専門学校でファッションを学んで、そのままアパレルの道に進みました」
高校の頃には、すでに起業を意識していたという。
最後に在籍していたアパレル企業では、事業開発に携わり、生産現場に足を運ぶ機会も多かった。
「日本発のファッションブランドを作るというコンセプトでした。職人の方々と直接話す中で、みなさんそれぞれに大きな課題を抱えていることを知りました」
この経験を通じて、自身の中である考えがはっきりしていった。

「自分にとって洋服は手段だなと思ったんです。本当にやりたいことは、モノづくりの伝統や文化に関わることだなと。そして、色んなモノづくりの業界を見る中で日本茶に可能性と課題を強く感じたんです」
こうして「CHABAKKA TEA PARKS」の構想が始まった。
決めたことを徹底的にやり続ける
日本茶の生産者を訪ね歩く中で、三浦さんの中にある想いが芽生えた。
「生産者の方々をもっと稼がせてあげたいと思いました。すごく大変な思いをしながら作ってくれているのに『お茶なんて、ただで飲めるからね』って言うんです。自分が入っていって業界を活性化させたいと思いました」

この想いが事業の構想を形作った。
「ただ物を売るだけでなく、そこにあるストーリーを自分たちのフィルターを通して伝えていく。これだけ物が溢れている世の中に極端に悪い物はない。その中で差別化していくには想いとかストーリーしかないんですよね」
この考え方が、店舗の在り方に表れている。
「鎌倉に構えた店舗では、お客さまをさばく接客ではなく、お客さまと会話をし、きちんと向き合う接客をしています。アパレルをやっていた時も、現場で想いを伝えお客さまの声を聞くことが大切でしたね」
実際に、店舗へ見学に伺った際にも感じたが、このスタンスはどんなに忙しくても変わらない。

「忙しくなると、ついついお客さまに向き合えなくなるお店が多い。だけど、お客さまからしたら、繁忙期だろうが閑散期だろうが関係ないんですよね。だからうちでは、どんなに忙しくても接客を大切にしています」
こうした積み重ねが、創業初年度から多くのファンを生む結果につながっていった。
想いを紡ぎに会いに行く
三浦さんは、なぜここまでやり切ることができたのか。
「負けず嫌いなんです。やるなら、とことんやって結果を出したい」
小学校3年から始めたサッカーでは、周囲との差を埋めるために練習を重ねた。
「周りはもっと早くからやっていました。でも負けるのが嫌で、ストイックに練習しました。小学校5年の時には県の選抜に選ばれました」
高校では陸上競技で全国大会にも出場した。
決めたことを徹底的にやり続けるそのスタンスは、今も変わらない。

「既存のお取引先も、新規の生産者さんも、必ず毎年会いに行っています。自分たちの想いを伝えるだけじゃなくて、相手の想いも直接聞きたいんです」
業界の知見がないところから飛び込み、本質を見極め、やり切る。その積み重ねの中で、三浦さんは日本茶の新しい価値を一つひとつ形にしてきた。
「CHABAKKA TEA PARKS」は、これからも日本茶の可能性をモノづくりの現場から紡ぎ直していくだろう。